日本初!国際基準に準拠したファシリティドッグ国内育成事業を開始

2020/04/14 21:03 ニュース, ファシリティドッグ

シャイン・オン!キッズは2019年度より日本初となるファシリティドッグ国内育成事業を都内で試行的に開始しました。

本トライアル事業のために迎えた候補犬2頭。タイ(左:ゴールデン・レトリバー種オス、2019年2月23日うまれ)とマサ(右ラブラドール・レトリバー種オス、2019年3月7日うまれ)

1. ファシリティドッグ・プログラムと、育成事業の試行的開始背景

ファシリティドッグ・プログラムは、ファシリティドッグ導入の国際的な先駆者であるアシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイとの共同事業として開始しました。これまで、2010年に静岡県立こども病院、2012年に神奈川県立こども医療センター、そして今年8月に東京都立小児総合医療センターに導入し、これまで延べ50,000名以上の子どもたちを訪問しました。日頃から手術室同行や骨髄穿刺同伴といった侵襲性の高い処置にもかかわりながら、病院、患者家族と協働した予防的処置を徹底することで、これまで感染やアレルギーに関するトラブルはありません。

安全な事業運営を10年継続することができ、近年では病院からの導入問い合わせも増え、国内需要の変化が実感できるまでになりました。また静岡県立こども病院では、国内2頭目のファシリティドッグとして活躍してきたヨギが8歳を迎え、後継犬の確保が必要な時期となりました。あらたに浮上しているのが「ファシリティドッグを今後どう供給するか」という課題です。

本事業開始当初、日本には国際基準を満たし導入実績のある育成機関がなく、アメリカの育成団体、アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイとグローバルパートナーシップを組むことで、犬を確保してきました。ただし同団体はアメリカのNPO法人として、基本的にその成果はアメリカ社会に還元すべき立場であり、長期にわたる持続は確約し難いことを合意した上で、開始した経緯がありました。

日本初のファシリティドッグとなったベイリー(写真右)。2018年のベイリー引退セレモニーには、アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイの理事長夫妻(右)、パピーレイザー夫妻(左)が駆けつけた。

2. 育成事業の概要

当法人がこのたび行う事業は、我が国で初めて、ファシリティドッグ専門の犬の育成事業を開始するものです。補助⽝育成団体の世界的な統轄組織、アシスタンス・ドッグス・インターナショナルが定める国際基準と倫理規定に則り遂行します。同組織から認証を受けた機関における豊富な経験とスキルを有する、以下の専属ドッグトレーナー及び監修ドッグトレーナーによって実施されます。

マリーナ・ロドリゲス(専属ドッグトレーナー、作業療法士)国際認証を持つ2つの育成団体、アメリカのアシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイおよびアルゼンチンのボカランで使役犬トレーニンング実績をもつ。育成した計52頭のうち、計10頭がファシリティドッグとして日米で活躍中。

キャサリン・ドール(監修ドッグトレーナー、作業療法士OTD, MSGM, MS, OTR/L)全米トップのリハビリテーション病院でシニア作業療法士を勤める。ファシリティドッグの病院導入を数多く監修した他、自身もハンドラーとして13年以上、市民病院とミリタリー病院の双方での勤務経験をもつ。

候補犬は、適性のある候補犬を幼少期の段階から厳しく選抜するため、盲導犬や介助犬といった”働く犬”に特化し、育種選抜に国際的な評価の高いブリーダー、キャリア・ドッグス・オーストラリア(https://www.careerdogs.com.au/)から迎えました。

職員の村田夏子(写真左、農学博士)と、専属ドッグトレーナーのマリーナ・ロドリゲス(写真右、専属ドックトレーナー)。羽田空港にて、日本初上陸したときの様子。

監修ドッグトレーナーのキャサリン・ドール(写真右:監修ドッグトレーナー)。神奈川県立こども医療センターへのアニー導入研修時、屋上庭園にて。

犬の育成は、陽性強化を軸とする”ポジティブ・トレーニング”により進め、4ステージから成る過程を約1.5〜2年かけて行います。本期間中、候補犬は100個のコマンド習得を目指します。また並行して、規定のカリキュラムに沿って多様な状況に慣れるための社会化トレーニングを進めます。具体的には、様々な場所に慣れる練習(例:ショッピングモール、病院、学校、レストラン他)や、様々な年齢の人や、様々な感触の物に慣れる練習をこなします。それぞれのステージを終えるごとに、候補犬を3つの評価基準、気質、技術とコマンドへの反応性、様々な刺激への反応性について評価します。最終評価は、病院においてフルタイムで活動するための適性について、専属ドッグトレーナーとともに、ファシリティドッグ育成の国際認証をもつ監修ドッグトレーナー立会いのもとで行います。

3. アドバイザリーボード設立について

育成事業着手にあたり、新たにアドバイザリーボードを設立します。医療施設でも安全に活動できるファシリティドッグを育てるため、そしてファシリティドッグの前に、1頭のすこやかな犬としての成長をささえるために、4名の専門家をボードメンバーに迎えました(五十音順/敬称略)。

久世明香(獣医師、博士)麻布大学獣医学部動物応用科学科 伴侶動物学研究室 講師。獣医行動診療科認定医として、イヌやネコのこころのケアに携わり、日本獣医動物行動研究会の幹事を務める。

高栁友子(医師、博士)社会福祉法人日本介助犬協会専務理事/愛知医科大学医学部客員教授。厚生科学研究介助犬研究班に従事し,2002年身体障害者補助犬法制定に貢献。

西村亮平(獣医師、博士)東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻獣医外科学研究室 教授。中央環境審議会動物愛護部会の委員として、動物の愛護及び管理に関する法律の改正にかかわる。

山本真理子(博士)帝京科学大学アニマルサイエンス学科 講師。”働く犬”を研究テーマにUCデービス校で博士研究員を務めた経歴から、日米の使役犬事情に詳しい。

第1回ボードミーティングの様子。前列左から高柳友子氏、久世明香氏、西村亮平氏、山本真理子氏。後列左から理事長キンバリー・フォーサイス、通訳 鈴木弥生氏、マリーナ・ロドリゲス、事務局長ニーリー美穂

4. 育成事業の支援募集について

本育成事業の安定的な運営をめざし、寄付窓口「育成応援プラス」を新設します。年間1口10,000円をご寄付いただくと、現役犬用に5,000円、育成中の候補犬用に5,000円をご支援いただける仕組みです(https://sokids.org/ja/support/donate/)。車両購入等の初期投資を含めて1頭500万円以上必要となるため、1,000名で1頭の育成が達成できます。ぜひ、応援をよろしくお願い致します。